ケアマネジャーは未経験だと転職は厳しい?不安な方におすすめの方法

ケアマネジャーは未経験だと転職は厳しい?不安な方におすすめの方法

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大枝 洋子のアバター大枝 洋子 ケアマネジャー

ケアマネ歴12年、介護福祉士歴8年。居宅ケアマネや施設ケアマネを含み、これまで4回の転職を経験。成功した転職もあれば、失敗した転職ありました。そんな転職経験を活かすため当ブログを立ち上げました。ケアマネジャーのお仕事や転職をサポートするセミナーに多数登壇。ケアマネジャー情報雑誌に掲載実績あり。保有資格は、介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士、介護事務、ケアクラーク、他。現在は千葉県内の主任ケアマネジャーとして千葉県内の地域包括支援センターで働いています。

ケアマネジャーの業務には豊富な知識や経験が求められます。そのため資格を取得したばかりの方は「ケアマネジャーは未経験だと転職は厳しいのかも…」と不安に感じてらっしゃる方も多いはず。

事実、ケアマネジャー求人のほとんどが実務経験を求めており、「未経験歓迎」という求人は非常に少なく、就職や転職が厳しい状況となっています。

でも安心して下さい。未経験でも大丈夫です。

今回は、資格を取得したばかりのケアマネジャーさん必見、実務未経験の状態で転職に成功する方法をご紹介します。求人を探すときのポイントや身につけておくべきスキルや資格に関しても解説。ぜひ参考にしてください。

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目次

未経験のケアマネジャー転職が厳しい理由

未経験のケアマネジャー転職が厳しい理由

正直なところ、一般的な居宅介護支援事業所や介護施設で未経験のケアマネジャーを正社員として雇用する余裕はありません。特に、ケアマネジャーの配置数を最低限に抑えている居宅介護支援事業所や介護施設では、即戦力が求められる傾向があります。ケアマネジャーの採用に関するウラ事情について詳しく説明します。

未経験者を教育している余裕がない

居宅介護支援事業所や介護施設では、そこまで多くのケアマネジャーを必要としていません。介護保険法で定められた最低限の数を雇用すればOKという場合がほとんど。

具体的なケアマネジャーの配置数は、居宅介護支援事業所の場合は35人の利用者につき1人のケアマネジャーを、介護施設の場合は100人の利用者につき1人のケアマネジャーを配置することとなっています。

居宅ケアマネ施設ケアマネ
主な職場居宅介護支援事業所特別養護老人ホームやグループホームといった介護施設
配置基準利用者35名に対して1人を配置利用者100名に対して1人以上

よっぽど経営に余裕があって、教育にコストを掛けられる企業を除いて、たいていは新人ケアマネジャーを正社員として採用するのは困難であることが現実です。

ケアマネジャーには即戦力が求められる

上記で説明した通り、ケアマネジャーの数は最低限で良しとしている場合がほとんど。そのため、どの求人も「少数精鋭」、つまりケアマネジャーの採用では即戦力を求めています。

もし、ケアマネジャーが2人以上配置されている場合であれば、先輩ケアマネジャーが未経験者をサポートすることもできますが、1人の場合はそうはいきませんよね。スキルが不十分な場合、業務がスムーズに進まないことが懸念されるため、配置人数によって未経験者は不利になることがあります。できれば1人で業務が出来る方が望ましい。これが採用側の本音。

ケアマネジャーの需要は高いものの、このような事情から、経験が浅いケアマネジャーが転職する場合には、厳しい状況になる可能性があります。

ケアマネジャーの仕事には「居宅ケアマネ」と「施設ケアマネ」がある

ケアマネジャーの仕事には「居宅ケアマネ」と「施設ケアマネ」がある

ケアマネジャーには大きく分けて2つの職業があります。ひとつは、居宅介護支援事業所や地域包括支援センターで在宅介護の方の支援を担当をする「居宅ケアマネ」。もう一つは、特別養護老人ホームなどの介護施設に入居している方の支援を担当する「施設ケアマネ」です。

未経験での転職を検討中の方は、まず「居宅ケアマネ」と「施設ケアマネ」のどちらを目指すのかを決めておくと良いでしょう。

「居宅ケアマネ」と「施設ケアマネ」の違いについて

「居宅ケアマネ」は、居宅介護支援事業所で働くケアマネジャーで、自宅での生活を基本とする利用者様をサポートするためにケアプランを作成します。居宅介護支援事業所によっては、ケアマネジャーがケアプランの作成のみを行うところもありますが、多くの場合は営業も兼任しています。ケアマネジャーは、担当している利用者様と1ヶ月に1度、必ず直接会ってその方の状態を確認しなければならず、外に出て利用者様のお宅を訪問することもあります。

「施設ケアマネ」と呼ばれる介護施設で働くケアマネジャーは、特別養護老人ホームなどの入居施設に勤務して、ケアプランの作成を行います。すでに入居されている方なので、他の事業所との関りはほとんどありません。また、ケアプランの内容は施設内でのことに限定されます。介護施設のケアマネジャーは居宅とは違い、新規獲得のため営業活動をする必要はありません。その代わり、ケアマネジャー業務以外にも高齢者のケアを行う介護士としての業務も行ったり、生活相談員の業務と兼務したりするケースは珍しくありません。

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ケアマネジャーとして働くために必要な資格とは?

ケアマネジャーとして働くために必要な資格とは?

介護支援専門員の資格を取得することが、ケアマネジャーとして働くための必須条件です。この資格は、国家資格ではなく、都道府県が管轄する公的資格です。介護支援専門員になるには「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格する必要があります。ただし、この試験の合格率は2019年には19.5%、2020年には17.7%となっており、高い難易度が課題となっています。

また、介護支援専門員実務研修受講試験には受験要件があります。たとえば、「指定された国家資格に基づく業務に5年以上かつ900日以上従事する」「相談援助業務に通算5年以上かつ900日以上従事する」といった条件があります。

これからケアマネジャーを目指すという方は、受験要件を満たすためにどのような計画を立てる必要があるかを考え、着実に進んでいきましょう。

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実務経験以外で評価される経験・スキル・資格は?

ケアマネジャーが実務経験以外で評価される経験・スキル・資格は?

ケアマネジャーの資格を取得したばかりであれば、実務未経験だということは当たり前です。上記にも述べたように、単に資格を持っているだけでは、転職が困難になることが予想されます。

ケアマネジャーの転職を成功させるためには、実務経験以外で評価される資格やスキルを積極的にアピールすることが重要なポイントになります。

介護福祉士としての勤務経験

多くのケアマネジャーは介護福祉士の資格を持っているかと思いますが、介護福祉士として働いた実務経験も採用では高い評価につながります。

ケアマネジャーはサポート業務になりますが、現場の介護を知っているかどうかは採用担当側も重視しています。高齢者と接した経験、介護サービスの内容など、実際に関わって得た勤務経験は立派な評価ポイントになります。

もちろん、実務者研修や介護職員初任者研修(ホームヘルパー)も介護の現場をある程度は理解しているといった証明になるので、どんどんアピールしていきましょう。

利用者様をサポートするマネジメントスキル

ケアマネジャーには、その名の通りマネジメント能力が求められます。マネジメントといっても経営利益を生み出すといった意味ではなくサポートという意味です。

利用者様に必要な介護サービスを見極めて、最適なケアサービスをもとにケアプラン作成し、サービス提供事業者へと繋ぐことがケアマネジャーの役割ですが、その都度、日程や時間といった調整、利用者様や事業所との連絡業務、必要な書類を集めたり、介護保険制度の理解も求められます。

地味で細かな事務作業が多いのがケアマネジャーの仕事です。そういった業務をこなせる能力は常に求められます。

信頼関係を築くためのコミュニケーションスキル

ケアマネジャーは、利用者様やそのご家族だけでなく、介護職員や関係機関とのコミュニケーションスキルも求められます。特に、相手のニーズを理解するための傾聴力は、利用者様との信頼関係を築く上で不可欠です。介護職員としての実務経験がある人は、コミュニケーションスキルが自然に身につく傾向があります。採用面接では、利用者様と介護施設の橋渡し役になる能力をアピールすることが重要です。

ワードやエクセルといった基本的なパソコンスキル

ケアプラン、アセスメントシート、個別支援計画書、モニタリング表など、ケアマネジャーが用意する書類はパソコンで作成されています。そのため、ワードやエクセルをある程度は使えないとまず話になりません。採用面接でも「パソコンは使える?」と聞かれることでしょう。

といっても、そこまで高難度の操作は必要なく、なんとなく表が作れて、表計算も出来て、A4サイズにプリントアウトできれば十分です。自宅にパソコンがあれば1日でマスターできるでしょう。あとはタイピングに慣れるだけOK。

認知症ケア専門士の資格

認知症の方への接し方や、介護方法について学ぶことができる「認知症ケア専門士」の資格も、ケアマネジャーの採用面接で優位に働きます。

厚生労働省によれば、65歳以上の5人に1人が認知症の方となっており、これからの介護は認知症に関する知識が求めれられる時代となります。そういった背景もあり、認知症高齢者サポートのスペシャリストでもある認知症ケア専門士は、ケアマネジャーの世界でも重宝されるでしょう。

ちなみに、認知症ケア専門士の合格率は50%以上。受験料も2万円と決して高額ではありません。先行投資のつもりで取得しておくのも賢い選択でしょう。

社会福祉士の資格

ケアマネジャーの資格を取得した方の中には社会福祉士の資格も持っている方もいることでしょう。高齢者に限らず福祉の幅広い分野で活躍する社会福祉士の知識は、ケアマネジャーの仕事で大いに役立ちます。

また、ケアマネジャーの上位資格でもある「主任ケアマネジャー」の採用でも社会福祉士資格は大きく評価されています。主任ケアマネジャーが働く地域包括支援センターの求人を狙ってみるのもアリでしょう。

地方なら運転免許は必須

都心部で働くケアマネジャーの移動手段は電車や自転車になりますが、郊外や地方となると必ずと言っていいほど移動は車。通勤はもちろん、利用者様のお宅に訪問するときや関係事業所へ訪問する祭も移動の基本は車になります。ですので運転免許は必要になります。

車は職場で用意してくれたり、自家用車を使ったりと様々。ヤクルトレディのように、バイクで移動している方もいらっしゃいますが、雨などの天候もありますので、車は運転できるように準備しておきましょう。

未経験者が求人を探すときのポイント

ケアマネジャー未経験者が求人を探すときのポイント

ケアマネジャー業務未経験での転職は厳しいですが、求人の探し方によっては採用される可能性をアップさせることができます。続いて、未経験者が求人を探すときのポイントを詳しくご紹介していきます。

未経験OKのケアマネジャー求人に絞ろう

上記でも説明した通り、ケアマネジャーを募集している居宅介護支援や介護施設では、正直なところ研修などで新人を育成する余裕なんてありません。すでにケアマネジャーとして働いているベテランですら、スキルアップの研修を受けなければいけないほど現場は忙しい。

また、ケアマネジャーの業務は基本的に1人で行うもの。利用者様へのアセスメントや書類作成など、求められる仕事はどれも即戦力レベルになります。一般的には実務未経験でケアマネジャーの正社員採用はかなり難しいと思われます。

ただ、転職サイト「マイナビ介護職」には「未経験OK」の正社員求人が1000件以上も。高齢化に伴ってどこもケアマネジャーが足りない状態が続いており、実務未経験であっても採用したい事業所が増えているようです。応募する求人は「未経験者歓迎」や「未経験者可」といった表記のある求人に絞ると良いでしょう。

ケアマネ実務未経験では正社員採用は厳しい?

ケアマネジャーの在籍数が多い求人がおすすめ

「未経験OK」のケアマネジャー求人のなかでも、勤務しているケアマネジャーの在籍数が多い事業所、または施設の求人がおすすめです。

ケアマネジャーは介護職員のように大量採用はしていませんが、求人情報の募集人数や、ホームページの在籍数を必ずチェックして、「職場のケアマネジャーが自分一人」という状況を避けるようにしましょう。

オープニングスタッフ求人は狙い目

ケアマネジャー実務未経験の正社員求人なら、新規立ち上げ事業所や施設のオープニングスタッフが狙い目。オープニングスタッフとして採用したいのは即戦力のケアマネジャーですが、新規立ち上げのためベテラン1人、未経験1人の複数人採用を行っている場合があります。

新人でいきなり1人は不安…。そんな方にとっては、先輩から仕事を学びながら正社員として働ける理想的な職場環境といえるでしょう。

なお、オープニングスタッフ求人には非公開求人として募集していることが多いので、転職エージェントに登録しておくと良いかもしれませんよ。

パート求人で実務経験を積むのもアリ

「正社員にこだわらない」「最初はパートでもいい」ということであれば、すぐにでもケアマネジャーとして働き出せます。パート求人のほとんどが未経験OK。とりあえずパートとして働きながら実務経験を積むという選択も賢い選択だと思います。パート求人であれば未経験者向けの研修を行っている職場も多いですよ。

また、パート採用であれば勤務時間の融通が利きますし、立場的に責任も軽減されます。「給料をもらいながら実務研修を受けている」は言い過ぎかもしれませんが、ケアマネジャーの業務経験を積むならおすすめの方法です。

ちなみに、ケアマネジャーのパートは相場が時給1500円と、介護業界の中でも給料が高いんです。フルタイムで働けば手取りで月20万は稼げるでしょう。

子育て世代や主婦の方はパートがおすすめ

パートのケアマネジャーとして働き出した場合、初めのうちは計画作成担当など限られた一部の業務から任されます。仕事は単調で、やりがいを見い出すことは難しいかもしれませんが、着実に実務経験を積んでケアマネジャーの仕事を少しずつ覚えていきましょう。

パートであればゆったりと働くことができますし、仕事終わりや休日に勉強の時間を設けて、スキルを磨く余裕も出てくるでしょう。家庭があって子どもがまだ幼い、家事の時間は確保したいという主婦の方にもパートという働き方はおすすめです。

子育てが落ち着いて、いざ正社員を目指したいと思った時には立派な実務経験が備わっているはず。未経験という縛りもなくなったので、攻めの正社員転職が出来るでしょう。

未経験でケアマネ派遣はおすすめできない?

未経験でケアマネ派遣はおすすめできない?

正社員やパート以外にも派遣社員として働くという選択肢もあります。ケアマネジャーの派遣求人、つまり「ケアマネ派遣」という働き方です。

ケアマネ派遣は相場時給1800円とパートよりも高額なうえ、派遣会社での社会保険加入になるので福利厚生も整っています。同じ時給制でも派遣の方がより多く給料がもらえます。

また、派遣会社への登録時に希望条件を指定すれば、週3日勤務、10時出社、土日出勤など、ライフスタイルに合った働き方も可能です。

高待遇という点以外にも、派遣社員なら短期間で多くの職場を経験できるというメリットもあります。派遣期間は最短3ヶ月〜と短い期間となっています。同じ職場で更新することもできますが、別の職場でも働いてみたいということであれば、派遣会社に新しい派遣先を探してもらうことだって可能。しかも、転職ではないので職歴は汚れません。

そんな理想的な働き方ができるケアマネ派遣ですが、残念ながら未経験でのケアマネ派遣求人はほとんどありません

どこの事業所もケアマネ派遣に求めのは即戦力。新規契約や退職によって足りない人手を、すぐに埋めたいがために派遣会社に依頼しています。

長期にわたって利用者様に寄り添うといったケアマネジャーの職業柄、そもそも派遣求人はかなり少なくなっています。派遣の働き方は魅力的ですが、ケアマネジャーとして長期的に働くなら正社員かパートに限られるでしょう。

誰でも最初は未経験からのスタート

未経験からケアマネジャーに転職することは決して簡単なことではありません。しかし、ケアマネジャーの業務にはやりがいや充実感があり、自己成長にも繋がるという魅力がたくさんあります。

求人情報を探す際には、自分が持っているスキルや経験を最大限に活かせる企業を見つけることが大切です。

また、ケアマネジャーの業務を理解し、必要な資格やスキルを積極的に取得することで、転職成功の可能性を高めることができます。

転職活動は一人で行うのではなく、専門の転職エージェントやキャリアカウンセラーのアドバイスを受けることも有効です。自分自身が望む転職先に出会えるよう、前向きに取り組んでいきましょう。未経験からでも、諦めずに挑戦すれば、ケアマネジャーとして活躍することができます。

誰でも最初は実務未経験。焦らずに無理のない範囲で、ケアマネジャーとしての一歩を踏み出して下さい。

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この記事を書いた人

大枝 洋子のアバター 大枝 洋子 ケアマネジャー

ケアマネジャー歴12年。居宅ケアマネや施設ケアマネを含み、これまで4回の転職を経験。ケアマネジャーのお仕事や転職をサポートするセミナーに多数登壇。ケアマネジャー情報雑誌に掲載実績あり。現在は千葉県内の主任ケアマネジャーとして千葉県内の地域包括支援センターで働いています。

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